今、海外サッカーは移籍の話題で持ちきり。アンリのバルセロナ行きを始め、すでに決まっている話もあるが、まだまだ期間はたっぷりとあるので、今後も目を離せない。
さて、選手ばかりでなく当然監督にもこういった話はつきものだ。先日、レアルマドリーのカペッロ監督が解任された。昨年ユベントスから3年契約で移籍してきたカペッロだが、リーガエスパニョーラで優勝を決めたにも関わらず、契約途中で解任されることになってしまった。
今期のレアルマドリーは4年ぶり30度目の優勝を飾った。見事な大逆転優勝といっていいだろう。あまり成績が芳しくない3月に、書こうと思ったがボツにしたブログの原稿があるので、そこから抜粋してみた。当時、カペッロはクビが危ないともっぱらのうわさだった。
<レアルマドリーのカペッロ監督は解任(もしくは辞任)の危機にある。昨年、ユベントスのセリエB降格に伴い、ユベントスから移籍した名将カペッロだが、今期のレアルマドリーでは思うような成績を残せず、今や大変厳しい状況にある。成績は今日現在でCL16強入りとリーガエスパニョーラ4位。この成績をどう受け止めるかは人によって違うだろうが、レアルマドリーファンからすればリーガで4位は物足りなく映るのだろう。もう一つ、カペッロの戦い方は守備的で「つまらない」といわれる。おもしろいサッカーを展開してくれればまだしも、つまらないサッカーでなおかつ成績に不満アリとなれば、ファンのフラストレーションはたまるばかりだろう。>
だがこの後、レアルマドリーは連勝に次ぐ連勝で勝ち点を伸ばし、優勝を決めた。ほんの数ヶ月前とはえらい違いだ。ところがナゼか変わらなかったのが、優勝に導いたカペッロの立場。結局、監督を解雇されることになった。レアルマドリーでは、その理由を「試合が(守備的で)おもしろくないから」というようなことを言っているらしいが、それは誰がどう考えても「???」である。
なぜなら、守備的なカペッロのスタイルを知らないはずはないからで、何をいまさら!とつっこまれても仕方のないところ。「レアルマドリーに来たからにはスタイルは変えて当然」と考えていたとも思えない。カペッロ級の監督が簡単にスタイルを変えるとは考えられないからだ。
3月以降勝ちまくっての後半一気に大逆転、という展開はファンにとってはたまらいはずだ。いわば長嶋巨人の“メイクミラクル”のようなもの。カペッロには長嶋ほどの人気は無いだろうけど(;^_^A 、この展開でファンから文句が出るとは思えないんだけどなぁ・・・。それに後半の勝ち進んだレアルマドリーは、チームとして非常にまとまっていたように見えた。つまるところ、最終的にはフロントの決断なのだろうが、なんとなく釈然としない。
ところでもう一人、カペッロが昨季監督をつとめたユベントスでも、デシャン監督はセリエBで優勝を決めながら、シーズン途中で去っていった。詳しいことは明らかにされていないが、結局フロントとの関係や方針の違いなどがあったようだ。ユベントスを去った監督・その後を継いだ監督が、ともに新天地で結果を残しながら、1年でチームを去っていくという結果となった。なんとも寂しい話だが、二人ともその実力は証明されているわけでもあり、新しいチームで活躍する姿が見られるだろう。